top of page

【声明】
子どもたちの命をまもり、安全・安心のなかで演劇、 文化芸術を楽しめる環境を!

 

原子力発電に賛成できません。再稼動にも反対します。
 


 私たちは1945年にヒロシマ・ナガサキを体験した放射能の被害国でした。世界に向かって放射能の残酷さや恐怖を発信してきました。それが2011年3月11日以降、放射能による新たな被害を受けるとともに、加害者の立場にもなりました。
 風や雨、海を通して放射能は地球上に広がって行きます。目に見えず、しかし確実に人の体に影響していきますが、その影響を消す方法を持っていません。
 原子力発電から出る廃棄核燃料を処分する方法も持っていません。初めがあって終わりがあって、また初めから始まってと自然は循環してきました。初めはあるけれど終わりが見つからない、そして人類を滅ぼしかねない核燃料を使い、私たちは自分たちの日常生活を営んでいいのでしょうか。また、こんなに地震がある日本なのに世界の国で3番目に多い原子炉を稼動させ続けていいのでしょうか。
 さらに、原発の開発は原爆の開発と両輪で進められてきたという歴史も無視できません。原発の建設、運転には大きな利権が動き、地域間の経済格差や、下請け労働者への差別などの問題もはらみます。私たちは放射能の問題だけでなく、戦争と平和の問題や社会正義の問題としても、原発に頼る今の社会のありようを考えなくてはならないのではないでしょうか。

 私たちは子どもと一緒に未来を考えるお芝居を創る劇団と、観客として楽しむ者の集まりです。子どもたちに「豊かな未来を一緒に築こう」「命を大切にしよう」とお芝居を通して言ってきたし、今も言い続けています。しかし、いま現実に起こっている現状と、未来を壊しかねないことに対して何も言わないのは、子どもたちに嘘をついていることになります。

 私たち全児演(全国児童・青少年演劇協議会)は「原発はいらない、再稼動もしないで下さい」と意志を表明します。また、原子力に頼らなくても、雨、風、太陽など自然エネルギーのさらなる活用などで電力はまかなえると信じますし、ある物で生活する知恵も持っています。  そしてなにより、どの子どもたちも安全・安心のなかで演劇をはじめとする文化芸術を楽しむことができる環境が私たちの願いです。

 原子炉は廃炉に。再稼動に反対します。
 そしていま、憲法で保障された健康で文化的な生活を営む権利をうばわれている福島、東日本の高濃度放射能地域の子どもたちが避難をふくめ安全と安心な生活ができる施策を求めます。

 

                                                                    2012年4月22日

 

     全国児童・青少年演劇協議会 運営委員会

     

              運営委員長 松 本 則 子

bottom of page